山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

2月 厳冬期の渓流釣り考

 

2月で解禁とは言え、「釣って良い」のであって、「釣れます」じゃないです。

めっちゃ寒い、大して釣れない、魚のコンディションはイマイチ等々、ネガティブな言葉が並びがちな冬の渓流釣り。

川は低水温、渇水、アカ腐れ。山は低気温、積雪、路面凍結。悪条件の揃い踏み?で、何かの修行かと。

雪景色の渓流も美しくて好きですけど、釣りはとにかく厳しい・・それでも良い日もありますからね。

 

 

「釣りバカ」のバカは、「頭が悪い人」じゃなく、「熱意がある人」だと、私は都合よく解釈しています(笑)。

そのバカ?な私なりに、冬の渓流釣りについて、思うことを書いてみます。尚、解禁時に行われる成魚放流は私は狙わないので、そちらは省略。

 

 

2月は小型魚がメインで、時折良型が出る、そんな感じ。前年から残っている良型を狙って獲るのは、難易度が大分高めです。

サビを残した魚も居ますが、個体差があって、同じ日の同じ河川でも、色艶の良い魚も居ます。

 

 

良型が動かないのは、前秋の繁殖行動後、回復し切っていないことがありそうです。なのでジッとして動かない。対して小型の多くは未成熟魚で、繁殖行動に参加しておらず、体力がある。

また冬季は渓魚以外の水生生物も、活発には動いていません。河川が渇水状態で、流下物が少ないことから、良型は充分なエサが摂れない。小型は体力の維持に必要なエサが少なくても大丈夫。・・と、想像です。

 

 

・狙う場所

初期は本流より支流、大きな渓より小沢が堅い。中でも日陰より、陽当たりの良い開けた場所の方が、元気な魚が多いです。あまりの山奥の沢は雪と氷で危ないので、私はパスしています。

メインのポイントとしては流れの緩やかな深み。ほぼ止水のような淵や、流速のないトロ場などで、魚が群れて越冬しています。それでも薄暗い淵底の魚よりは、いくらか流れのある場所の魚の方が、コンディションが良いようです。

それと淵やトロ場でも、砂利底で底流があるようだと、冬季は魚があまり着いていません。

 

・条件

基本的に魚が殆ど動いていません。強い寒気が来てるときは尚更。

晴れの日の放射冷却の早朝などは喰いが渋く、時間帯としては遅めの方が良い。

数日温かい日差しが入ったり、雪でなく雨が降るような時は、いくらか流れの効いたポイントにも魚が入ってきます。

陽当たりの具合、湧き水、水源地の標高などの要素の組み合わせで、初期の魚の動き出しの遅い早いに差があります。

 

 

・釣り方

トロ場や淵の大きなポイントでも、魚の目の前にいかに仕掛けを運ぶかがキモ。

ベタ底でしか食ってこないですから、根掛かりしそうなギリギリで、沈み石や起伏などの川底の変化を狙います。

完全に止まってしまわないスローな流下で、静かで我慢の、ある程度粘りの釣りになります。ただ、数は少ないですが小場所に魚が入ってることもあり、そうした場所は食い気のある魚なら勝負は早いです。

アタリがあっても早アワセは禁物で、間を取らないとハリに掛かりません。魚の活性に幾らか個体差があって、この間を取るのが早期の難しさの一面。

 

・仕掛け

イトは04号、ハリは3〜4号くらい。

流勢の弱いポイントでは、水流抵抗が掛かる方が釣り易いと考えています。目印を水中に入れて、わざと抵抗を増やすことも多いです。

エサはキンパクが主力で、特に初期は小さなもの。河川によりクロカワ、オニチョロ、ヒラタ、いずれも小型を使います。予備エサにミミズやイクラなどの市販エサを持っていけば問題なし。

 

 

ある程度の増水で川底が洗われると魚たちの動きが春めいてきますが、それまでは超低活性な、エサを追わない魚が相手。

 

条件が厳しく、魚のコンディションが上がらない時に、何故釣りに行くのか?

まずは渓流釣りが好きだから。解禁したからには、釣りに行きたい。

それに、餌を追って動かない魚を釣る工夫は冬季に限ったことでもなく、他の季節にも応用が利くと私は考えています。何かの理由で魚が口を使わない状況で、どう狙うか、こうした攻略を考えるには、冬〜早春は好都合です。

 

 

・冬の釣り考察

初期は前年の魚が「越冬する場所」が好ポイント。

特に湧き水の有無は非常に大事。通年安定した水温の供給源で、冬と夏の魚の着き場になります。

ポイントの構えだけでなく周辺の山の地形を観察し、実際に魚を釣ってみて、そうした場所を探します。

また表層(見た目)の流れがあっても、川底近くが緩いポイントには、割と活発な魚が入っていることがあります。(←大事な見立て。

 

・私の志向

基本的に周年、狙いは良型渓魚。極端な細仕掛けや極小鉤は使いません。冬と言えど「もしかして出るかもしれない」に集中です。

ただし冬に出会えるのは多くが小型。その中でもなるべく良いサイズを、更にはサビて瘦せた良型よりも、色艶の良い魚を釣りたい。

 

 

とは言え、痩せた良型に出会うと、これはこれで嬉しいのです。

前年に産卵し、生き延びた個体。多くの良型が産卵後に斃死することを考えると、その野生の力強さに少なからず感動を覚えます。

 

 

良型の越年個体には、見惚れる魅力を私は感じます。

そっとしておきたいような、しかし解禁したからには求めてしまう。

 

雪景色の中で寒さに震えながら、その出会いを探し続けるのだろうなと想います。

 

 

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