「ガサガサ」って、ありますね。
長柄のタモで、川岸の窪みや草陰で生き物を探すやり方。
ウチの息子が大学で生物を学んでいて、水生生物の観察で、ガサガサをやり、甲殻類、昆虫、魚、色々と網に入るとのこと。
写真見せて貰うと、イワナやアマゴ、渓流魚も捕れるようです。ただし、河川によって捕獲方法に決まりや制限があるので、この辺は要確認、ですが。
私はやったことが無く、これには興味があるのですよね。
渓流釣りをしている私は、「釣り」を通して魚と出会います。
何処で、どの時期、どう釣ったら、どんな魚が出てくれたか。そしてハリに掛かった魚の、泳ぎ方はどうで、その速さは、重さはと、体で感じることが沢山あります。
釣りの学びは二方向。一つ目は、釣り具の使用を含めた釣り方。もう一つは、対象魚とその周辺の自然。この両者が繋がっていて、釣りを成立させています。
私は釣りで魚と接触し、自然の一部である渓流魚の理解を深めて行けると考えています。また逆から、理解が深まると、釣れる魚も増えていくだろうと。
少し詰めるなら、季節により、地域により、様々な条件の差異から、渓流魚は性質が違います。どんな流れに居着き、何を捕食しているか等は、釣りをして、多くの魚と出会う事で、より多くの気付きもまた得られると考えてます。
先に戻り、ガサガサ。
岸際のエグレにタモで捕れる渓流魚が居る事実は、釣り具を通した渓流魚の行動理解とは別方向です。
そうした場所には釣りイトを入れるのが難しく、たとえ上手く行くとしても、それはごく一部でしょう。
つまりガサガサで探れる渓流魚の居場所について、私は殆ど無知です。これは私が気付いていない渓流魚の行動が、まだまだ多く在ることを示唆しています。
渓流魚が居る場所を「ポイント」と呼ぶのであれば、草木の根や岩に阻まれた、釣り人が敬遠する場所もポイント。釣りが成立し易い場所を指すのであれば、表現の意味は違ってきますけども。
ガサガサの得意とするポイントで続けてやっていれば、どの時期に何の魚が獲れたとかは、釣りとは違う理解が起きる可能性はある気がします。ただしあのやり方では、大きな淵や開けた瀬では難しいでしょうから、それぞれ短所も長所もありですね。
ガサガサで捕れる魚は、釣りの対象としては関係ない。そう見るのも間違っていないと思います。
私達は魚を獲れればどんな方法でも良いのではなく、釣りと言う、好きな行為で渓流魚と出会いたい。更には釣法、場所、河川、様々な釣り人の好みがあり、出会いたい魚も個々に違います。
しかし相手の行動や性質をよく知る方が、釣りの組み立てに有利なのは確か。
釣り竿を置いてまで、渓流シーズン中に鞍替えするかはともかく、渓流魚の居場所と行動を学ぶ上で、知らないやり方に関心を持つ次第です。