世の情報に、ほんの一部を見せて、まるでそれが全体像であるかのような紹介がされるものは多いです。
何かの情報を取る際、一方向からのみ見るのは、結構勘違いの元。
「ピラミッドは何角形か」と問われて、正面から見たら三角、真上から見たら四角、みたいな。立ち位置が違うと、同じ形が違って見えるものです。
例ですが、カエンタケと言うキノコ。
カエンタケの毒性は非常に強く、誤って食べてしまうと死に至る可能性があるほか、触れるだけで皮膚が炎症を起こし、ただれてしまう場合もあると言われています。
こうした注意喚起をされています。
さて、私の実体験ですが、カエンタケを触っても何ともないです。
引用の後段、「場合もあると言われています」は間違いではないのでしょうけど、症例報告が殆どありません。
つまり、「そうでない場合の方が多い」とも解せるのです。
だから大丈夫、と勧めるのではないですけどね。
この場合、「皮膚炎が起きる可能性」のみが扱われて、そうならないケースには触れられません。注意喚起の文言では、大体同様です。
私は渓流釣りをやりますが、水難事故は起きますし、落石や土砂崩れ等々の危険もあり、注意が要ります。
事故が一定数あっても、そうでない方が圧倒的に多いのも確か。リスクを上回る楽しさがあると考える沢山の人がハマります。
個人的には、「危険or安全な可能性」のみで構成された文章は、どれも眉唾と判断しています。
本当に危険なら、事故例や発症例の詳細と、同時に発生確率に触れて欲しいところ。
投資案件などになれば、「絶対に安全に儲かる」なんて文言は眉唾以下です。
ただ、情報の発信元が言いたいことを絞って文章にするので、それは当然ですし仕方無い。
受け手が鵜呑みにせず、別の角度からの情報を探せば良しです。
こうした事は、人間関係にも言えますね。
誰しも色んな面があるもので、完璧じゃない。足りない部分にダメ出しするばかりではなくて、良い面と上手く付き合う方が楽しい関係だと私は思ってます。
他所からの情報ばかりでなく、実際の体験においても。
「百聞は一見に如かず」は本当でも、一見だけでは一部の切り取りになり、全体像は見えません。
渓流釣りでは、良く釣れる釣り方を見付けて、「これで分かった!」って思っても、次の時に同様に出したら、魚がまるで釣れないなんてザラです。
「テレビで観た」「専門家がネットで言ってた」って会話の中で紹介されることはままあるわけですが、「裏を取る」と言うか、他の角度からの検証材料がないと、情報元が何の意図で出したのか、それが自分にとって有用なのかを図りかねます。
自分に必要と判断したものについては、多角的な視点があった方が良いなと思っています。