朝晩が冷え込むようになりました。
そうなると山は中秋のキノコが終わり、晩秋型が本格化です。
今回は時間があまり取れなくて、しかし山が気になり、行かずにいられません。一種の病かも(笑)。
紅葉に快晴、良い秋の日です。
早速山を歩きます。
出ていますね、まずはナメコ。
艷やかで、姿が綺麗。強いヌメリがあり、その質感、舌触りも良い。「山の宝石」と呼ばれるのが、よく分かります。
群生する種で、私は大好きなキノコ。
立ち姿、食味、収穫量、レア度、このあたりを高水準で満たすのが、ナメコです。(レア度に関しては、地域性がありますが)
なのでこれが出始める季節になると、ソワソワしてしまいます(笑)。
私は「好き」と書きましたが、この感覚は個人差があるのが面白いところ。
山に入る人でも、キノコへの関心の有無は程度の差は人それぞれ。
キノコ採りの人に絞っても、どの種が嬉しいか、その辺は皆さん違われます。
私の場合は渓流釣りからの派生で山歩き、キノコ探しをやります。
「渓流」への興味から、周辺を構成する自然が知りたいと考えることと、食材採取に喜びを感じること、私はこの2方向。
見るべきは、まず植生。
キノコは樹種との関りが密接で、山の斜面に何でも生えるのではないです。
それと地形と地質。
眺めるだけより、山に足を着けてみると、印象違いなことが沢山あります。
これらの組み合わせで、日照、風抜け等々、山の条件が違う。
キノコを探すには、目的のキノコは勿論、周囲を見た方が良いと思います。
クリタケ
艶消しで、渋い出で立ち。束生が美しいです。
こちらも晩秋の山で出会えると嬉しい種。
良いダシが出るので、鍋や炊き込みご飯などが美味しい。万能選手で、割と何の調理でもイケますけどね。
軸足の下の方が固く、ここは好き嫌いが分かれるところ。私は現地で切り落としてきます。
1ヵ所である程度まとまって発生する種で、何か所かで採れれば数量が稼げます。
これは立派なクリタケ。
発生環境からか、時折とても大きな個体に出会います。
キノコの発生と成長状態のカギになってる要素の一つは、降雨、水分量。
雨が少ない時は、湿気の集まり易い地形を探すのが吉。と言っても、湿地や沢が良いとは限りません。水分量が多すぎても良くなくて、風抜けが悪いと発生する種が少ないです。
このナメコはおそらく大きくなります。
写真では見えないですが、軸足が太いですのでね。何の違いで育ち方が変わるのか、どうもよく分かりません。材の状態、気候の条件、色々ありそう。
とにかく観察項が多くて、キノコを探すこと自体と同じくらい、周辺の自然観察が面白い。
だけどキノコが無い時、山を歩くだけで良いかと言うと、そうでもなく。
私は狙うものがある故に、真剣になれます。そこに加えて、生きた山の知識、経験が得られるとなると、もう楽しくて仕方がないです。
時間が短かったのが残念ですが、晩秋型キノコに多く出会えました。
本格的な冷え込みが来るまで、秋最終の山に楽しませて貰おうと思います。