山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

私が成魚放流を釣らないワケ

渓流釣りが解禁する頃、成魚放流が行われる河川があります。解禁時の恒例行事みたいなものですね。河川により、GW、お盆など、連休に絡む時期にも。

冬場に成魚放流されることが多いのは、天然魚のハイシーズンではないことも理由でしょうね。

 

私は放流成魚を狙って釣りません。ですが放流を否定するつもりはないです。そのあたりは以前の記事で書きました。

 

早春の渓流釣りでは、コンディションが上がった渓魚が沢山釣れることはまずないです。

野生魚の良型が掛かっても、痩せた個体が大半で、引き味はまだ弱い。この点、魚の元気さでは、放流成魚に軍配かもしれません。食用としての意味でも、放流成魚が勝ちそう。

 

狙わないのは、私がやりたい釣りと方向性が違うから、ですね。

渓流釣りにおいては、以下。

・魚の居場所を探す面白さ

自然河川での渓流釣りのゲーム性を考える時、自身の経験からの予想で、河川のどこに魚が居るのか、そこを見付けることからが始まり。大きくは河川、そして区域、ミクロには瀬か淵か、深みか浅場かと言うように、大きなフィールドから、ピンポイントを絞っていく過程にも楽しみがあります。

「放流場所近辺には必ず魚が居る」のが、私にはネックなんですね。

 

・人波が苦手

私は人の居ないもしくは少ない、出来れば人工物のない渓流が好きです。

成魚放流場所には竿が林立し、道路近くで行われることが多いため、どうしても私の好みとは趣が違います。何人も並んで釣る、その雰囲気が得意でないと言いますか。

私も行く場所によっては、ある程度の人瀬は見ますし、道路近くでも竿を出すことはありますけどね。

・釣れる魚の姿形

近年では養殖池育ちの魚でも、姿が美しいものも多くなったようです。

以前の成魚放流と言うと、ヒレが擦り切れたり、鼻先が欠けていたり、でしたけどね。しかし今もやはり、川生まれ・川育ちの魚が持つ、野生の迫力は出ないみたい。

自然河川で育った渓魚は、その地域の特徴(水色・石色)などを身に纏い、個性が非常に豊かです。対象魚を含めた自然に惚れて渓流釣りをしている私としては、そちらに出会いたいのですね。

 

冬の回復途上の野生魚より、元気な放流魚。これは分かる気がします。

それでも冷たい渓に棲む痩せた魚体にも、この季節にしか見られない野生渓魚の美しさがある、と思っています。