山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

越冬アマゴ探し

一人暮らしの息子(大学生)が帰省しました。目的は渓流釣りです。毎回帰省のたび、私と各地の渓に行きます。というより、それが目的で帰ってくる、が正しいかも。

 

息子リクエストで行き先が決まり、そこへ今回は釣友のしえらさんが合流してくださることに。昨年もこの時期に3人で釣行していました。

本支流と各所釣るつもりでしたが、冷え込みがキツい。ので、予定変更して「越冬アマゴ」狙いです。

 

前年に成熟し、翌年に残ったアマゴ。

未成熟魚に比して、個体の迫力があると私は感じています。

 

冬期ならではの色合い。頭部が大きく、プロポーションが二年魚とは結構違う。

オスは口先が尖り、キバが生えてます。これが格好良くて、迫力が数段増すような。

 

こちらはメス。

産卵後、メスは痩せて回復に時間が掛かるようです。しかしもう、流れに入り捕食しています。

 

ウチの息子と私は、こうしたアマゴに出会えると嬉しい、との共通の感覚を持っています。マニアな話だと思いますが(笑)。人によっては、回復途上のアマゴに抱く感想が違うみたいですけどね。

まだそっとしておきたいような、しかしその姿に冬時期の野生を見ることも楽しみ。

マニアックな親子にお付き合いくださる釣友には感謝です。

 

この個体は腹部が怪我をしてました。鳥か四足か、何かに襲われたのでしょう。

可哀想な気もしますが、これもまた、自然の中に生きる野生魚の姿。

 

雪に覆われた、寒さ厳しい冬の渓。

その環境に棲息する様々な逞しい生き物たちとの出会いは、何かエネルギーを与えて貰えるような気になります。

厳しい環境でも彼らは息衝き、冬から春へ、そして夏から秋へと、季節の進行通りに違う姿を見せてくれる。こうしたことを渓魚の姿から実感してる次第。中でも成熟した越冬アマゴに、その感覚が私は強いです。

 

釣りの方は、しえらさんがルアー、息子がルアー&ノベ竿の両刀、私はノベ竿。

こうした釣りスタイルの混合は楽しいです。

遡行ペースは私が一番ノロいので、ある程度合わせて行ってるつもり(一応。

 

渓の倒木にヒメキクラゲ。

これは後でカップ麺の具にしました。

 

冷えた体を温める、簡単な食事にはありがたいですね。山菜(野草)もトッピングしたくて探しましたが、雪が多くて、ちょっと難しかったです。

 

冷え込みはキツい、雨はザーザー降る、ユキシロは勢いよく入る・・カメラのレンズは曇るし、出すのが億劫だし。

このところ、私の釣行日は毎回悪条件なんですが、何か悪いことしたのかな(笑)。

 

今年は早くから春めいていたのに、3月になって季節が逆進した感じがします。

越冬アマゴも良いのですが、そろそろ春の魚達を探したいところ。

 

天候が良くなくて、釣り場を選べなかったのは残念。でも久しぶりの息子と、釣友と、一緒に釣るのは楽しかった。

天気予報ではいよいよ寒が抜けて暖かくなるとのこと。今回の雨で良い出水になったので、広範囲の渓魚が動き出しそうな予感がします。

 

 

 

寒の戻りの選択・渓流道場にトライ

私は岐阜県在住で、県内をメインに周辺県にも渓流釣りに行きます。

行き先の中には、色々な意味で「難しい(勉強になる)河川」があります。あくまで私の感覚ですけども。その一つが、吉田川。郡上漁協管内の激戦区です。

 

朝から冷たい強風の吹き荒れる、厳しい気象条件。このところずっと私の釣行日は、キツい寒気が来ます。何でかな(笑)。

心当たりの好場所を探って様子見、それで以後のプランを考えます。

 

朝イチのポイント、小粒なアマゴが流れのヨレから続けて出てくれました。

ふむ、魚の反応はある。今回の寒気は、アマゴ達を沈黙させるほどでもないみたい。風がかなり邪魔だけども。

仕掛け操作を調整するうち、そこそこのサイズが当たります。

 

吉田川を選んだのは、このところの暖かさからか、大き目の渓・本流も釣れ始まったとの情報もあり。とは言え、岐阜県北部では冷え込みの大川は難しかろう、と。

 

型が良いアマゴは、まだ冬色でした。痩せた個体も居て、ようやく動き出した感。渓魚たちの居場所は緩流がメインで、瀬に着いてる雰囲気はあまり無いですね。

それでもイジメられてるであろう、スレた反応が出ます。素直に喰って来ない、短く辛いアタリが多々。

ある好ポイント、誰も居なかったので入ったら、真新しい足跡が。

そんでウンともスンとも無反応。チビっこすら出ません。こりゃダメだ。こんな時はすぐ移動。

 

魚の動き出しの時期、場所ムラと言うか、良い場所では続けて釣れる、そうでない場所ではイマイチ、みたいなことが顕著な気がします。

ここらは、その日その時に魚の動きが良い(もしくは良くない)場所なのか、人の圧がどうなのか(入渓者が多・少)のか、判断に迷います。

 

吉田川が難しいのは、まずは水の透明度、押しの強い流れ、そして釣り人の多さ。

魚は沢山居ます。しかし難しい。吉田川でコンスタントに良型が獲れたら、その釣りは大抵の河川で通じるように思ってます。

水と景色と魚が美しい好渓で、私も好きですし、人気なのも分かります。

 

私はネットでは基本、河川名は出さないですが、郡上漁協管内に関しては、一般的な釣り場であれば、ピンポイント以外は伏せることもないのかなと。何しろ有名河川ですのでね。

ただでさえ難しい吉田川に、冷たい強風。

他の釣り人のプレッシャーは仕方なしですが、ある程度は地理が分かりますので、なるべく風よけ出来そうなポイントを選びます。何台か釣り人と思しき車が停まっていて、そこを避けつつ。

 

 

河原にはカンゾウフキノトウが。

季節は進んでいるのですが、寒気の影響で気温水温が上がらず、どうも今年の3月は釣りに関しては、岐阜県内河川は春が足踏みしてますね。

冷え込みでもう少しイワナが元気かと予想してましたが、こちらは一尾出たのみ。

小振りなアマゴが淵で連発した場面もあって、やはり魚が散ってない様子も見られました。

 

今後は渓魚たちが更に元気に、しかしスレが進んで手強くなります。

とりあえず今回は、気象条件は厳しかったですが、サイズはまずまずで、思いの外沢山の魚に出会えた釣行でした。

 

超絶寒の戻り

今シーズン、(今のところ)一番厳しい釣り。

2月は暖かい日が多く、冬にしては珍しい釣りやすい条件でした。が、3月に入ってキツい寒気が来ています。

 

朝の気温はマイナス7℃。標高を上げると、マイナス10℃。

マイナス10℃・・? 空気が肌に刺さる寒さです。「標高が100メートル上がると、気温は0.6℃下がる」らしい。大体の目安になりますね。

で、マイナス7℃の標高に行ったワケです。そんでも目茶寒い。とりあえず釣りの準備をして、河原に立ってみたものの、無理でした。陽光が差すまで待機。

何ヶ所か見回るつもりで、釣り場の候補地を考えてたのですが、こりゃ計画変更しないと。

 

今回の一尾目はカジカでした。一尾にカウントするかはともかく、私は出会えると嬉しいです。愛嬌があり、可愛い。

河川によっては、結構上流域にも居ますね。

 

25cmくらい? 産卵後に回復したメスですね。画像では分かり難いですが、肌の色がメスの回復個体らしいなと思いました。

腹が膨らんで、沢山食べてるのでしょう。春本番の頃には、良いサイズになりそう。

 

太陽光が入り、少し気温が上がるタイミング。その時間帯が、明らかに魚の反応が良い感じでした。

 

朝の冷え込みがキツく、沢水もパリパリに凍ってました。日中に融雪・解氷すると、水温は低いままになるだろう、と予想してまして。

太陽光の入るチャンス・タイムに集中です。

 

とは言え、反応の辛さはナカナカで。

カスるような僅かなアタリで、それっきり、とか。アワセてもハリに乗らず、掛かってもバレる。

こりゃ難しい。冬って、こんな釣りがままあるのですが、今年は3月にこうなるのは想定外でした。

魚体は春めいてきていて、しかし反応の出方は真冬。

 

まだ冬色を残したアマゴも。

今回に関しては、春色も冬色も、どちらの反応も難しかった。

冬の間はミニサイズのアマゴは割と元気に出てくれますが、今回はそれすら辛い。

喰い渋りはこの寒さなら分かる気がしますが、釣れてくる魚を見ると、シッカリ食べてる個体も居る様子。ってことは、私の釣り方が悪い(笑)。

 

私は冬の渓流釣りは、結構好きです。得意、とまでは言えないですけども。寒さで動きの良くない渓魚を釣る工夫が楽しいですからね。

まずは行き先を考えます。が、今回は初期をあまり知らない地域に行ったので、水中の季節進行がイマイチ読めませんでした。

このところ私は、釣れるかどうかよりも、今見てみたい、やってみたい釣り場を選ぶことが多いです。ですがここは考えどころで、あまりの寒気が来てる時は、避けた方が無難な場所もありますね。

 

寒い中でも、フキノトウは沢山出ていました。

鮮やかな黄緑が見えると、「春が近いな」って、ホッコリします。

 

釣りの手応えとしては、どうも今回だけでは何とも。

久しぶりに本当に寒のキツい日を引いて、これもまた経験かと思う次第です。

 

 

初期の渓を釣査

前の記事で「寒の戻り過ぎ」と書きました。

3月に広範囲の渓流が解禁したところですが、寒気が強くて条件がよろしくない。

私は解禁初期~春先には、最盛期にはあまり入らない渓流を探るのと、冬ならではの釣りを追うのも楽しみです。寒さの中、何処を選ぼうか。

 

開始早々に産卵から回復してきたメスが。大分肉が厚くなり、色艶も春めいてます。この一尾が早々に出たので、そのまま探釣することに。

 

正直、あまり釣果は期待してなくて。

様子見に少し釣って、別所に移動するつもりでした。

 

しかし。次から次へとアマゴが釣れてきます。これは良い。計画変更で、このまま詰めることに。

寒がキツい真冬日。ですがこんな日にも当たり場所はあるもので、予想外の好場所を引いたみたいです。

 

まだ冬っぽい色のアマゴも。

とは言え肉付きはあって、居場所も喰い方も、春寄りな感じ。

 

釣り方としては緩流の冬パターンと、緩い瀬に入ってる初春パターンの両方でしたね。

今時期のあるあるで、魚の活性化に個体差があって、食い込みのタイミングが取れない反応が多々(言い訳です・笑)。まぁ、バラシの多い事は参りますが、それでも釣れる数的にはまずまず。

 

今期初、カワサバも登場。

ヒレが綺麗な個体でした。アブラビレまでオレンジが入ってます。時々出会いますが、これまた一尾ごとに差異があるようですね。

 

大きいので8寸くらい。

超小粒なアマゴはあまり出なくて、大体17~20cmがアベレージ。緩やかな流れの淵では泳ぐ魚が結構見えて、魚は濃い感じがしました。

 

朝のうちは大丈夫でしたが、日中に小雪が舞い始め、それがドンドン酷くなり。

昼間でも気温が上がらないどころか、むしろ寒くなる状況。魚の動きが徐々に鈍くなるのが感じられました。反応の出方の勢いが弱くなると言うか?

私の方は手が悴むし、震える寒さの中、魚より先にギブアップだけはしないぞと(笑)。

 

三寒四温」と言うように、一週間の約半分は寒が入るのがこの時期。

途中で暖かい降雨でも来ればサイクルが変わるのですが、そうでないと一旦自分の休日が寒に捕まると、しばらく続くのですよ。嫌だ嫌だ・・。

 

雌雄とも、痩せた個体も居るし、早く動き出しただろう春色のアマゴも居る。

まだ一ヵ所で数が出る時期で、ちょっと釣り方を変えた途端に反応が出たりするので、これがとても楽しい。また、どの流れにどんなコンディションの魚が居たか、その観察が面白いです。

 

暖かい雨が降るか、せめて寒気が抜けてくれれば。

今年は魚の動き出しが早めなので、更に楽しい釣りになりそうです。

 

 

冬に逆進・ヤマメ探釣

「寒の戻り過ぎ」

・・と勝手に表現してます。3月で広域の渓流が開幕しましたので、本流域並びに各所を釣ろうと出てきました。

 

釣りに向かう道中はこれ(停車して撮影)。

スタッドレスタイヤと言えど、滑らないワケじゃないですから、気を付けないと。スリップ事故が起きてて、パトカーがサイレン鳴らして走ってましたしね。怖い怖い・・。

地元の人曰く「雪道では、車を進めることより、進んだ車をちゃんと止められることが大事」とのこと。

 

・・・何かもう、絶望感溢れる光景ですな。

寒の戻りの絶頂の日、それでも挑戦しないと気が済まない釣りバカは、冬将軍に惨敗続きです。行かなきゃいいのに(笑)。

 

現着しても降雪が酷くて、車中待機。

でも折角来たしで、本流へ竿を出したところ、奇跡的に一回、魚から反応が。これを取り損なって、それっきり。やはり完封負けでした。

ずっと寒いままの方がまだ良くて、暖かくなってから冷え込むのは、特に初期の本流の釣りにはかなりマイナスかと。

 

ここから第2プランに移行。

何やかんや言っても、帰りません(笑)。

 

本流がダメなら、別所へ。ヤマメ探釣です。

 

完全に冬の条件ですが、魚の姿は春めいてました。色合いが凄い綺麗! 個体ごとに体色が違い、とても面白いです。

 

私はアマゴ域で普段は釣るので、ヤマメをあまり知りません。なのでヤマメ域は新鮮なんですね。

ヤマメとアマゴの違いは、朱点の有無で語られることがあり、それも勿論ですが、体色が結構異なります。それと文章にし難い、釣りの感触の違いはありますね。近縁ですがやはり別種だなと。

 

イワナもまた、地域性が強い魚。

不慣れな地では、これまた色合いや姿が新鮮です。

 

とにかく好反応です。不思議なくらいによく釣れました。それっぽいポイントからは、何尾もの反応あり。

ここでは寒の戻りは関係無いのかな? 先の本流は激シブだったのに、謎だ・・。

 

サイズ的にはそんなに特筆する魚には出会えませんでした。が、魚体がどの個体も素晴らしく綺麗。

こんな真冬日に、沢山の渓魚に出会えるとは、意外も意外。第1プランの本流も、予想を良い意味で外して欲しかったですけどね。

 

魚が春色なのは、先月が暖かく、川底を洗う増水も起きたので、その影響がありそうです。例年より季節感が進んでるように見受けました。

 

29cm。

惜しい、って正直思いました(笑)。春まで待てば、30cmは超すでしょう。

この条件で尺上が出たら、私的には殊勲賞か敢闘賞ものかと。

 

それにしても、何故にこんなに良い反応なのか、状況を考えると。

 

冷え込みが厳しく、ユキシロが止まってるみたいでした。冷水の流入が減って、逆に良い条件だった・・のかな?

私の考察が当たってるか、それは今後確認するしかない。

 

今回はプランを2本用意してきて、結果的に楽しめて良かったです。超寒い日に当たっても、転進の候補が見付かったのが大きな収穫でした。

まだしばらくは冬の影響があるでしょうが、魚達は目覚めてます。今後さらに良型も期待できそうで楽しみです。

 

渓流解禁初期・2月の釣りを考える

こちらの記事が、当ブログでは人気があるみたいです。

ので、未紹介の内容を書いてみます。

 

冬の渓流魚

イワナは6~7年、長いものではもっと生きるようですが、アマゴの寿命は基本2~3年。

初期の渓で良型アマゴと言うと、居着き型かそれに近い3年魚中心になります。遡上・移動型の大型アマゴは、前秋の産卵行動後に斃死していますのでね。

居着きアマゴの中に、1回目の産卵で生き延び、翌秋に2回目の繁殖行動をする個体が居る。良型狙いなら、これらを探します。

 

流れの緩み

2月の渓流は大体、渇水で開幕します。降雪でなく降雨で増水し、川底の泥や、沈んだ葉っぱ等のゴミが流されると、魚の動きが活発になります。

増水が起きる前までは、流れの緩い淵やトロ場がメインの狙い目。

しかし地域と年によっては初期から降雨があったり、融雪増水が始まっていたり、渇水とは限りません。この場合でも水温は低く、やはり流れの緩みがポイントです。

 

 

緩流・止水の釣り

渓流釣りは「流れを釣る」ことが基礎動作。ところが初期の渓魚の居場所は、流れが消えているポイントが少なくないです。渇水時では尚更。

波立ちが無く深い淵底を狙うのに、仕掛けの組み方や竿操作で僅かな流れを捉え、魚の目の前にハリを通す工夫が要ります。この、動かない魚のアタリを探して取るのが初期の面白さ。

どうも淵ごとのパターンがあるようで、最深部が良い、払い出しが良い等々、それが日ごとにも違ってきます。なので釣り方も毎回同様でなく、その時々にどう狙うかを考えないといけません。

 

水の増減と魚の動き

空気が暖かい時の雨で増水すると、魚が一気に活気づきます。しかし冬は雨後は寒気が入ることが殆どで、一旦動き始めた魚もその後は喰い渋ることが多い。また、空気が冷えた時の雨だと、水走りが良くても、反応が出難いです。

冬の増水時は、水流に逆らって泳く体力が魚に無いので、狙うのは流れの中に出来た緩流。

瀬脇や石裏のタルミは勿論、見た目に瀬のようでも、川底では流速が落ちるようなポイントに魚が入っています。上波に仕掛けが取られてしまうと、魚が追い切れずにアタリが出ない。立ち位置とイトの入水角度を調整し、川底の緩流を狙います。

 

地形の差異+ポイント選定

同じ地域でも右岸左岸で、残雪の具合や水温に違いがある事が多いです。これは水源地の標高や、陽当たりなどの条件からでしょう。

元々水が冷たい場所は、冷え込みが来ても魚の動きがあまり違わない場合がありますし、しかしそんな場所は厳冬期は反応そのものが少なかったりもします。

陽当たりの良いポイントの方が魚の動き出しが早いようですが、天候や水況によって、好ポイントは違ってきます。

元々の山渓の条件に、日ごと年ごとの気候の状況を加えて、ポイントの選定をすることが肝要かと思います。

 

その日その時に何処で何が当たるかは、事前に読める部分、行った先でしか探せない部分、色々です。

冬には冬の釣りがあります。

ポイントの選定は知識と経験、そこに緩流を釣る技術を合わせると、魚が応えてくれるものと思います。

 

2024年2月の渓流釣り

2024年の渓流シーズンは、例年より積雪が少ない中での開幕となりました。

解禁時は渇水、川苔は黒くドロドロでした。水量の少なさは、ここ数年では一番だったかと。

第3週にはまとまった降雨が来て増水、川底が洗われ、一気に融雪も進みました。

 

解禁初期は私は、昨年の成熟個体を探します。

25cm以上クラス、あわよくば尺上を狙いたい、ですがそう簡単ではないですけどね。

狙わないと釣れない、でも狙っても中々出てくれない、そんなところ。

 

今年の2月は、アマゴの7~8寸まではまずまず出てくれました。

月終わりにイワナの尺上が出てくれたのが「してやったり!」でしたね。トータルの釣果は、冬としては良かったと思います。

 

初期の魚は「サビてる」と表されます。

冬時期になると渓魚は黒っぽくなるのと、前年に婚姻色の出た個体は、翌年の早春まではその色を残していて、それらが混じって「サビ」になってるみたい。これを私は「冬色」と呼んでいます。

 

厳冬期に何故に渓流に行くのかと言えば、冬にしか出会えない姿の渓魚が居るから。その出会いの工夫が楽しいから、です。

私の感覚としては冬も春も、どの季節の渓魚も好きです。

 

今年の2月に不思議だと思ったのが、このアマゴでした。

26cm、オス。長さの割に、成熟した様子がありません。婚姻色(サビ)は残っていないし、顔付きもまだ優しい。あるいは早くサビ抜けして、春色になったのかな? この日に釣れた他の個体より、ずっと春めいて見えました。

釣れたのは支流の淵。2月に支流でこのサイズでは、珍しいタイプ(私の行き先では)。パーマークが薄く、大きな渓流に居そうな魚でした。

こうした魚体の個体差の観察と、その考察が私は好物です。

 

釣り方として、初期は緩流を狙います。居る場所には冬の渓魚は群れていて、良い場所に当たると、そこで数が出ることが多い。

初期の緩流の釣りは、この時期ならではで面白いです。

 

まとまった降雨で増水した後は、幾分魚が散った感じでしたが、それでもまだまだ。

 

今年の2月は、前半は渇水、中盤で増水、最後は増水後の平水、こうして移ろう条件をどう釣るのか。春めいてきた渓魚は、冬場とは居場所も反応も変わる。

初期は魚の動きの変化が大きいこともあり、追跡が面白い。

 

2月の釣りから、今年も新たな発見がありました。それは釣り方にも、場所選びにも。

こうした手応えが、何よりの収穫です。

経験から釣りパターンを見付けて行くのと、それで思考を固定しないで柔軟に色々と試すこと、この両面で楽しめたなと。

 

3月の広域解禁からは、釣り場の選択肢が広がり、渓魚の活性化も更に進みます。

もうしばし冬の釣りを追いつつ。盛期に向かう、3月からの渓を釣りたいと思っています。