私は渓流釣りでは、渇水と増水なら、迷わず増水が好き。水少ないより、多い方が楽しい、というだけの個人的な話ですけどね。
勿論、泥濁り増水なら、釣りどころではなく、パスします。
水量豊富な本流域では、元々の水深があるところに水が増えると、釣り難くなります。数m以上も水位が上がることが珍しくないですしね。
ポイントがあまりに深いと探るのが難しく、時間も掛かります。それに危ない。
川全体が白波に覆われるような増水は、見た目には釣り難そう。
そんな時は魚達は、適度な流速の場所へ移動し、集まります(多分。
釣り人の私はそこを探して、そうした場所のみ釣って行けばよく、ある意味ポイントが絞れて釣りが易しい。一ヵ所で入れ食い状態になることもあります。
これが引き水になると、集まっていた魚が散り、更には水が多くて居場所が絞り難くなります。こうなるとポイントを見付けるのが難しい。
時期により、増水が魚に与える影響が違うと私は考えています。以下は私見。
早春は淵やトロ場の流れの緩みに群れている魚が、雪解け水混じりの増水により、流れのある場所に出ていきます。
春~初夏に水温が上がる頃からは、瀬にも淵にも魚の居場所が広がっていて、しかし水流が荒れる時は、やや流れの緩みになる場所がポイント。この頃に増水すると遡上が始まり、魚の移動でポイントが変わって行きます。
梅雨~夏は、春よりも更に強い流れにも魚が着き、強い流れに入れる体力が魚に付くので、増水しても流れの緩みが着き場でなくなるようです。
夏明けに上昇した水温が、降雨増水で低下に入ると、魚達の繁殖準備が進みます。(秋入りしてからの渓魚は、それまでとは付き場も反応も違い、増水とは別項と思います。)
増水時のポイント選びとしてとても大事なのは、安全確保。
無理な渡渉や立ち込みは禁物で、出来れば岸から竿を出しても釣れるポイントを探すことですね。
増水時に魚の寄り場になり、かつ足場の良い場所。
これを見付けるには、平水~渇水時に河原と川底の様子をよく見ておきます。
降雨で水が増えつつあるのか、雨が上がり減りつつあるのか、これも大事な条件。
増えていればポイントに魚が集まって来て、減っていれば魚が散って行く。
魚の遊泳力の個体差はあるはずですが、水流が強くなれば、逃げ込む場所には大差はないように感じます。
増水時に魚が集まり易い場所は各所にあり、状況と居場所の判断を間違わなければ、数型ともに期待できます。
魚の居場所を変える要因は様々で、水温の変化や、魚達が摂っているエサの種類等々、水量はその中の一つでしかないです。ダム河川では放水による増水があり、これは雨増水とは意味が違う。
私が増水が好きな理由として、水位の変化で魚が動くのが確実だから、と言うのは大きいです。
様々な条件で、魚の動きを予測し、釣るのが楽しいと思っています。