私は釣果には、状況判断→場所→道具→技術→(運)の順に重要と考えてます。このところ、初心の子供たちの釣りガイドをやってみて、あらためて納得しました。
この考察は便宜的な順番で、場所や道具の選択は状況判断によるものですし、技術と連動でもありますから、「判断と技術」で両輪にしても良いかも。渓流釣りでは技術の重要度は高いです。
でもそのことがハードルを上げ、初心者が入り難くなるのは勿体ない。
私が条件を読み→行き先を決め→スケジュールを組み立て→釣り具を用意して→釣り方をアドバイスする。現地で様子を実際に見て、スケジュール変更は柔軟に。時間帯や気候の変化などのタイミングを考慮するのは、とても大事。
結果、子供たちが魚に出会えて良かった。釣りは魚が釣れれば楽しい。技術を含めた発展的な考察は、まだまだ後で良いです。
ガイドした子供たちが、次に自分で釣り場に出たとしたら、おそらく同じ結果にはなりません。それで「何でだ?」と工夫するモチベーションは「釣れて楽しかった(または釣れなくて悔しかった)」の経験。
成功体験は次回以降への推進力になりますが、「この前はこれで良かった」に固執するのは失敗の元。でもそれもヨシですね。
幼子に小難しいことを言わず、美しい自然の中、生きた魚に出会う事から、多くの事を感じ、学んでくれれば。それにはまず、釣りの機会を楽しんで貰いたい。
私は子供に限らず初心者と渓流に出る際、「何故釣れないか」は見ていてある程度分かります。これは私の釣りを上級者が見たら、私が釣れない理由が見られることでしょう。
子供の釣りを観ることは、実は私には大きな学びを含んでいるものです。誰かに何かを教える際、一番勉強になるのは、教える側ですのでね。
経験、知識、技術のない子供たちに渓魚を釣って貰うには、どうすれば良いか? これがまさに、教える私側の学び。これを考えることは、自身の思考として活きてきます。
子供のガイドをする時は、足場や水深・水流など、危険にも注意が要ります。なのであまりに流れが強い本流や、急斜面の登り降りを伴う渓谷は、基本的に避けます。
私だと、水深があり、水流が強い場所が好きなので、どうしてもそんな場所に目が向きがち。子供連れの時は自分の好みは一旦は置いて、普段は釣らない小河川に入るのも新鮮です。それで意外と良いポイントが見付かったりするものですしね。
ガイド役の時は、一緒に楽しむ事が肝要だと私は考えていて、人対人の目線は五分。
子供は敏感で、同行の大人が何を考えてるか、案外と勘付いてますのでね。子供だからと適当にあしらうのはよろしくない。
例えが悪いですが、犬も猫も、自分を可愛がってくれる人間を分かってます。人なら尚更でしょう。
過剰に手出し口出しするのでなく、かと言って放置せず。本人の自由意思を尊重し、サポートしつつ釣りをする、と。
子供連れでは、自分が好きに釣れない。これは確かにそうです。
そんな時、一緒に楽しむには、と考えた方が良いと思うのですよね。
渓流域近くに住んでいるならともかく、街中ではアウトドア体験がし難い現代。こちら側の世界に興味を持ってくれた次世代には、大切に接したい。
渓流釣り体験から、今後の楽しみを作ってくれたら嬉しいです。
そしていつか、若手の柔軟な成長に驚かせて欲しいと思っています。