山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

渓魚の質と価値観

渓流釣りの釣果の評価として。

誰にも分かり易いのは、サイズと数ですね。もう少し具体的に、尺上を何尾、40cm超を何尾と、サイズと数を合わせたものも。

しかしその内容になると、釣り人個々に価値観が分かれます。

 

まず、魚の出自と育つ環境の違いで、同魚種でも姿型もサイズも異なります。同数・同サイズでも、釣りの難易度まで同じではありません。同じ環境で同じ長寸の魚を釣っても、重量がある太い魚の方が手強いですしね。

生きる命に優劣はなく、一尾は一尾、に違いないのですけども。

また「魚質」という概念があり、渓魚の個体差で、釣り人の評価が変わる。このあたりは数値化し難い部分です。

簡単には、綺麗で、格好良くて、野性味溢れる、等々、渓流魚に求めるイメージがあるのです。同じ種の魚の中でも、こうしたイメージを満たす魚を、魚質が高い、と評します。

私だと対象魚をアマゴ(+ヤマメ)とイワナとしていて、嗜好はアマゴ寄りですが、イワナも釣りたい。出来るだけ良型の自然河川の個体で、放流成魚は狙いません。

ただ過去に、秋に生き残っていた尺上アマゴの成魚回復個体を釣った事があり、その時は正直、ちょっと嬉しかったです。よくこの時期まで残り成長したなと。放流時のサイズは分かりませんけども。

 

他に意見が分かれるところでは、私だとブラウンやニジマスは、釣果カウントは基本しないです。普段は狙いの外ですが、50cm、60cmとなると釣りごたえはありますし、記録としては残してます。

 

サイズでは、小渓流と大本流では、その意味が違うと考えています。

私の住む地域ではダム河川が殆どで、大きな水域に絡む環境は、大型魚が多いです。

魚は水量が豊富な場所の方が、早く大きく育ちます。限定水域で大型になる魚は時間が掛かりますし、その数が少ない。

それぞれ難しさがあって、何処の釣りが容易だとはなりませんけども。

骨格や色合いに育つ環境で差異が出て、そこに魚質の評価がされます。

 

殆どの河川には漁協があり、成魚、稚魚、発眼卵、親魚などの放流が行われています。

前述は主に環境からの話ですが、現代の渓流では、出自による魚の個体差は確実にあります。放流魚と自然繁殖の魚では、同じ環境で釣れても姿が違っていますのでね(食用としての意味は今回は省略)。

 

人の手が加わった魚よりも、厳しい自然環境が育んだ個体に高い価値を置く人は多く、私もです。生存競争を生き抜いた、逞しい姿に出会いたい。

 

釣り人は、それぞれの嗜好で釣りたい魚とフィールドを選びます。

渓流釣りを趣味にする人に多く重なるのは、渓流魚が綺麗で格好良い魚であるという認識の部分。そして野生の魚は釣りの相手として手強いです。

 

魚質が高く、サイズが大きいほどに、希少性と釣りの難易度も上がる。

同じ一尾を釣るなら、手にした時の満足感が欲しい。

魚質とは、渓流釣りで外せない評価要素だと思います。