山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

2023 鮭不漁のニュースから考える

全国的に鮭が不漁となった2023年。

2019年も不漁年と言われ、4年平均で回帰する鮭が今年少ないのは、ある程度はそうなのかも。

これが一時的な現象であれば良いのですが、年々獲れない魚化してる鮭。今後はどうなることかと心配です。

 

そんな中、明るいと思うのは、北海道千歳川

昨年は過去三指に数えられるほどの鮭遡上があったそうです。

こちらを見ても、2023年は昨年ほどではないようですが、千歳川の鮭遡上は良い数字が出ています。

こうなると、温暖化など、広く言われてることばかりが鮭減少の原因ではないかも知れない。海水温などの影響だけなら、全域で鮭は減りそうですが。

 

(岩手大学 後藤友明教授)

「ここ最近は北海道産の秋サケも一気に減少している。主産地のオホーツク海と北海道の道東の海域に帰ってくるサケが急速に減っているのが目立つ。北海道周辺の海域も温暖化の影響を受け始め、稚魚が生きにくい環境になっているかもしれない」

NHKの記事から引用。

この論説もよく見聞きします。しかし遡上が好調な河川で生まれた稚魚は、別の海域に居るのかと言えば、どうなのでしょう。

 

 

千歳川のサケ・マス孵化場は、物凄い近代的な設備だそうです。そこへ本州の鮭遡上河川の漁協から、代表者が研修に行くのだとか。

私はたまたま、千歳の施設に行った関係者から、直に話を聞きました。詳細は控えますが、とても興味深かったです。

全国的な鮭の減少が伝えられる中、千歳川並びに北海道の日本海側で好調が維持されているのは、当地の取り組みが成功している、とも映ります。

各地で激減している鮭が復調する、何かヒントがあると良いなと思うばかりです。

 

遡上数の推移は、こちらが詳しいです。本州の河川は、かなり厳しい様子が覗えますね。

 

こちらは富山県から。

県の水産研究所によりますと、県内の河川に遡上するサケはここ5年間減少が続いています。
特に、今年は過去最低だった去年の5割程度にとどまっていて、過去およそ50年間で最も少ない記録的な不漁となっています。

*県水産研究所 田子泰彦所長
富山県全体の川が悪い。例年ここ5年ほど悪いんですけど、その中でも去年よりも悪い。神通川では現段階で半分近く、庄川では3分の1くらいに下がっている」

 

私自身、2023年は富山県の小川と庄川で、鮭有効利用調査に参加しました。

私は運良く複数の鮭に出会いましたが、川の中に魚が少ない、厳しい状況だったと思います。あまり調査河川のことを、ネガティブに表現したく無かったのですけどね。

これだけ各地から不漁のニュースが出ることからも、事態は深刻です。このままだと、鮭釣りとか言ってる場合ではないかも。

 

平均4年で回帰する鮭が、この5シーズン続けて不漁。

次は2020年以降に遡上した鮭の子供たちが対象になるはずで、と言う事は、今後数年は厳しいのかも?

 

私は対象魚が好きで釣りをします。

好きだから大事にしたい想いがあり、相手のことを、より知りたい。実際に触れることで、様々なことを感じられます。

彼等に出会うには、我々は釣りという手段を使う以外になく、それは少なからず魚を傷付けることになる。

矛盾めいたパラドックスですが、今後この状況が続くようなら、考えないといけないかも知れません。