自己評価では、私のキノコ探しの知識と能力は、中級くらい。細かくは、中の下、のイメージです。
キノコ名人(上級者)には色々なタイプがいます。
マツタケやマイタケなど、商品価値の高い種を専門にする人。食毒全般に詳しく、多数種を集める人、等々。
名人と凡人では、同じ日に山入するとして、成果の差が如実に現れます。これはキノコに限らず、ですね。
私の考える、キノコに出会う為の必要項を書いてみます。あくまで自称中級者の記事、とお断りしまして。
・種の見分け
キノコを見付けても、それが何なのかが分からないとイケません。
しかしキノコは5000種とも言われ、専門の学者でさえ、全部の把握は困難とのこと。食用とされるのは、100~200種くらいでしょうか。中には猛毒を持つものもあります。
こちらは以前書いた参考記事です。
・種ごとの発生時期
四季の移ろいで、それぞれの時期のキノコが発生します。キッチリとした線引きは無く、夏時期のキノコが秋まで残ったり、色々。
・植生
キノコは種によって着く樹が決まっています。
落葉樹に着くキノコなら、そうした樹種のある場所を探します。また、山では多数種の木々が混生していて、条件次第で一ヵ所に複数のキノコが出ることも多いです。
・地形
山は地面に凹凸があり、それにより水と風の通りに違いが出ます。
程よく日陰で、程よく日向。乾燥し過ぎず、半日陰くらいだと、キノコには良いようです。
・標高
同じ山でも、麓と頂では条件がかなり変わります。
麓が夏の気候で、頂はすでに秋など、大きな山ほど標高差による季節進行の違いがあり、発生するキノコの種類も違ってきます。
・方角
東西南北、風当たりと陽当たりに差異があります。
また同じ山の斜面でも、凹凸によって細かく何度も四方が生まれ、少しの距離で状況が変わったりします。
・気象条件
総じてどの時期もどの種も、キノコは水分量が必要。
あまりの乾燥は良くなく、雨後に一斉に出ることも多いです。
ざっと思い付くのは、この辺り。
キノコを探して山歩きをしていると、「山の層」の様なものがあると気付きます。
その層(スジ)に沿って歩くと、キノコの出現率が高い。これを外すと、同じ山なのに何もない、といった極端なことがあります。
縦横斜め、方向は場所次第で、直線あり曲線あり、範囲の大きさはバラバラ。
「層」の正体は私見では、風の通り道。かつ水分が程よく回る場所。
同じ山に、北風と南風が吹けば(季節風)、空気の流れ方が違うのは当然のことで、木々の密集度や地形、岩等の遮蔽物、色んな条件で層が作られると想像してます。
これを、山で見付けられるかどうか。
次に、同じ日、同じ山で。
東西南北の違う方向の斜面に入ってみると、キノコの発生状況が随分違ったりします。
日照、気温の上下、風向き等々、どこかに条件の良い斜面が出来ることがある。
これが事前に読めたら、何処からどんなルート取りをするのかが決め易くなります。私だと殆ど出たとこ勝負になり、現地に行ってから、ひたすら歩き回るハメになりがち。
キノコ探しが楽しいのは、山読みの過程と、見付けた時の嬉しさ。
実際に山を歩いているうちに気付くことが多く、しかし分からないことの連続です。
自然を理解するほどに出会いが増え、楽しさが増して行くと思っています。