山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

ツキノワグマの事故

本州に生息するツキノワグマによる釣り人の死亡事故は一件も報告されていないようです。

・友人等で複数で入川することが多く、遭遇時に協力して対応している
・鈴やクマスプレーを携行する人が多く、対策が浸透している
・山菜採りと違って、視野が水平方法で、クマに気付きやすい
・川自体には草木が生えない為、その場所は開けており視野が保たれている

これらの要素が組み合わさり、本州においてはツキノワグマによる釣り人の死亡事故が報告されていないのかもしれません。

 

これについては、私なりの見解があります。

基本的に熊は臆病な、大人しい動物です。事故が起きることからも、全ての熊がそうだとは言えませんが。

獣害事故とは、人対熊。人の方から仕掛ける事はまず無いし、熊が人を襲うのも何か理由があります。

今までで私の経験では、威嚇の姿勢をこちらに向けた熊が一頭。集落近くの、開けた場所で出会いました。

人の生活圏で、熊にはアウェーなのに。車道沿いで、民家も近い。それでいて人間を威嚇する。

おそらくこの熊には、熊鈴は効きません。山奥の熊のナワバリでは、彼等の聞き慣れない金属音が鳴れば、警戒心から距離を取るかも、とは思います。

春の事故の多くは多分、山菜採りとのバッティング。熊のエサ場に人が入るから、だろうと。山菜は熊の食べ物でもあり、エサ場を荒らされるのが嫌いらしい。ネマガリタケは熊の好物なので、注意が要りますね。

また春先は奥山は雪に覆われていて、エサが少ないです。雪解けの斜面を歩く際は、山菜採りでなくても、熊の痕跡が無いか、見た方が良い。

実りの秋にも春と似た事が言えそうですが、里山の果樹を除けば、熊と人のエサの競争が起き難い分、冬眠前の割に事故数は多くないと推察してます。

 

木の爪傷、糞、獣臭、足跡、食事跡、寝転がった跡等、熊の存在を知らせるサインは沢山あります。 

ちなみに私は、熊の糞は木の枝でツンツンして、中身を観察してます。幾らかでも未消化なものがあれば、その熊が何を食べてるかが分かるので、対象物を避ける事を考えられます。危うきには近寄らず。

渓流釣り人が被害に遭い難いのは、山菜採りと並行でもなければ、河原の人間と闘う理由が熊に無いからではないかと。

記事が少し古いのですが、ツキノワグマによる釣り人の死亡がゼロと言うのは、幾らか安心な話題ですね。ただ、私の知る中でも、熊による怪我の経験者は実際に居ます。

 

こちらは環境省が発表している、獣害事故のサイト。

事故が多いのは、本州の山間。2023年は、熊被害が多く報告された年でした。私自身が昨年遭遇した熊は5頭です。幸い、特に危険はありませんでしたけどね。

渓流釣り人は熊の棲息地にも行きますので、どんな事故がどれだけ起きるのかも含め、相手のことを知るのは大事だろうと思っています。