渓流釣りで私は、季節ごとに出会いたい魚がいます。
冬の早期の渓では、昨秋に成熟したアマゴが一番の狙い。
この色合いは冬独特。
水が温み、融雪増水が来ると、体色が白っぽくなる。
釣り場によりこのタイプは3月にも探せますが、私の行き先では2月の降雨前が出会う率が高めです。
オスの顔つきは尖り、格好良い。未成熟魚に比して迫力があります。
昨秋に繁殖行動に参加したオスは、冬でもあまり細い魚体は少ないです。とは言え昨秋の段階では、もっと幅広の体型だったでしょうから、これでも痩せてるのでしょう。
腹部はやはり肉が薄いですね。秋の繁殖期はオスアマゴは体高が上がりますから、早春の体型は、その名残りかと思います。
「サビてる」とも表されます。
サビのメカニズムは私は分かりません。秋の産卵期になると、オスの成熟体は婚姻色に染まり、繁殖行動後は黒っぽくなってます。成熟個体は翌年までその体色を残していて、徐々に回復して春の色に変わっていく。
冬の間だけに見られるアマゴの体色には私は、この時期ならではの魅力を感じます。
サイズの問題ではない、とも思うのですが、成熟した個体は未成熟魚に比して、平均して良型です。
7寸~8寸くらいが多く、9寸から尺超も時には出る。極寒の渓では、アマゴが25cmもあれば上出来です(私には)。
これを初期の渓流で探して、釣りを当てるのが楽しみなんですね。
同寸くらいでも、メスだと痩せてます。
一雨ごとに回復して太くなりますが、長さが増すほどに体型が戻るのには時間が掛かるみたい。
成熟したメスの特徴として、長く伸びた尻鰭。
色、形、何度見ても良い。オスは鼻先が、メスは尻鰭が伸びる。これらは繁殖行動での必要性。
魚体が痩せたメスは、対比として鰭が大きく見えます。これも冬ならでは。
こうした越年個体に、割と出会い易い・難いは場所によって差があるようです。
その違いが何なのかと、ずっと探してるのですが、私は答えは見えないまま。
初期は場所ムラ・日ムラがあって、良い感じのポイントからよく釣れる、とも言えないところがあります。
冬は冬の魚の着き場を探し、その中でも狙いのアマゴは何処に居て、どうしたら喰うのか。これを当てて、寒い時期限定の姿と出会えるのが、冬の釣りの楽しみの一つと思っています。