私がキノコに興味を持ち始めた頃。図鑑を観たり、ネットで調べたりする中で、一際惹かれたのがナメコでした。
その姿の美しさ。単生の種とは違う、株立ちの存在感。自分でも実物が見たいと思いました。
ナメコは栽培品が市販されてますから、馴染みがあります。しかし他の種にも言えることで、自然の中で発生しているキノコを実際に見ると、スーパー等でパック詰めされた商品とは、印象が違います。
ナメコはその強いヌメリが特徴の一つ。
他にも群生するキノコは多種ありますが、色合い・質感・形状と、これらのバランスがナメコは非常に美しいと私は思ってます。
キノコの評価として、食用種ではその味と香りを挙げる人は多いです。
この点でだと、ナメコは数ある食用キノコの中では、それほどの上位には入らないかも知れません。私個人の意見としましては、ナメコの良さはその立ち姿にあります。勿論、食べても非常に良いキノコであることは間違いないですけどね。
密集して子実体が発生する様は「タワー」と呼ばれますが、ナメコのタワーは「見事!」の一言。本当に隙間が無いほどの密集したタワーは、私は画像等でしか見た事が無いです。いつか自分も探して出会ってみたい。
他でタワーを作るのは、食用キノコではヒラタケ、ムキタケ、ナラタケなど。群生・束生種はどれも、見事なビジュアルを提供してくれます。私感ではそれらの中ではやはり、美しさが頭一つ抜けてるのがナメコ。
出会えると身震いするほどで、「おおぉ~~っ!!」と意識せずに大きな声が出てしまいます。
ナメコは「山の宝石」とも呼ばれます。このことからも、このキノコに特別な感覚を持つのは、私だけではないのでしょう。
興奮と感動に出会える喜び。
好奇心の対象を見付け、情報としてキノコ図鑑等から見た写真から始まり、実物を探して山を歩き、そして望みの種と出会う嬉しさ。そこに良い意味での刺激と中毒性が宿っています。出会えた結果は、良い思い出となって蓄積され、心を豊かにしてくれる。そこから更に深く追うのも、目的を果たしたと別へ向かうのも、何れの動機にもなり得る。
これはナメコ以外のキノコでも、またキノコでなく他の事柄でも、同じか似てると思うのですよね。
私の場合は好奇心の対象をより追いたい想いが強めで、同時に少しづつでも幅を広げていきたい。例えるなら、砂場の山を大きくするような感じでしょうか。高さが増すよう、砂を盛るにつれ、山の裾野が広がっていく。
私は好みで群生または束生のキノコに惹かれ、今もその山を大きくしようと山歩きしています。