渓流釣りで好釣果を出したい。
しかしそう簡単に思う通りにはならない。
私の想うに渓流釣りには、ちょっとした意識や行動を変えるだけで、すぐに見違えるほど上達する魔法は、存在しないです。
ですが知っておけば使える有効な知識はあって、逆からは、知らないと使えない。知ることが出来たら、釣果に近付ける。ただしこれは、その知識を使いこなせる技量を持っていることが条件です。
私は毎回そんなヒントを探しているのですが、即効性のある知識は中々見付からず。
目を向けてきたのは、魚の動きを予見する為の、河川とその周辺の自然観察です。
同じ河川でも、年ごとに周辺の自然の季節ごとの移ろいには差異が出ます。それが水系(地域)違いとなったら尚更。植生が違い、着く虫類が違い、そして魚の行動も違う。それらは水質や地質等、季節とは違う自然条件によっても変わってきます。
釣りだけを見ず、周辺に意識を向けるように心掛けていると、そこで起きている「違い」に気付き、そこから釣りのヒントが極稀に見付かることがあって。実際には多くの気付きの種が見えているのですが、私には認識が出来ず、気が付いた時に「目から鱗が落ち」ます。
違いを幾つもの地域で観察し、何年も続けて行くと、ようやく見えるものがある。
この気付きは自然のことを理解するという意味で、その結果、求める魚との出会いの距離が近付くものと私は考えています。
「何に魚が反応し易いか」は時期でも日並みでも、同じ日の時間帯でも、時にはポイントによっても変わるものです。また、河川(地域)により特徴があり、ある川では「赤」が、別の川では赤がダメで「青」が効く、等のことは普通に有ります。ここはルアー、毛鉤、エサ等の選択にも、技術的な釣り方の面にでもです。
私はアマゴ(ヤマメも)とイワナがメインの対象魚。この両種は行動が重なる部分、異なる部分を持っています。また同種でも個体差があり、皆が同じ生活史ではない。同じ選択(釣り方)だけで全部の場所で好釣するのは、ちょっと無理があります。
「沢山釣り具を持ち込み、ドンドン変更する」としたくても、山間の渓流に大荷物では厳しい。なので持ち込む道具を絞り、「変更可能なもの」は変え、そうでない部分は技術でクリアする、となります。
技術力がそれほど高くなくても、選んだ釣り具が条件にマッチしていれば、案外アッサリと渓魚は釣れるものです。そしてそれを見付けるのが難しい。更に、同じ選択ならやはり、技量がある方が釣果は出ます。
これらは所謂「ミクロ視点」の話です。
私は自然を解析して、それが釣果に繋がる知識に昇華できると殊の外嬉しいので、何処の山渓でも、観察すること自体をも楽しんでいます。