この間を「渓流釣りの最盛期」と位置付けておられる方は多いと思います。7月18日に梅雨明け宣言、そして猛暑となりました。
私が見回った中での今年の傾向として、アマゴ・イワナは「やや良」、といった感じ。2023年シーズンは良型イワナが当たり年で、アマゴはイマイチっぽかったです。アマゴは今年は幾分復調の雰囲気、対してイワナは昨年ほどではなさそう。
今年は両種とも尺前後くらいまでのサイズはまずまず出ます。が、40に絡むサイズとなると、やはりそう簡単には出て来てくれません。
4月に入って良型イワナがまず動き出し。しかしこの時点では、アマゴは例年比で小粒な魚が多かった。ユキシロ期にイワナが活発になるのは例年通りでしたが、アマゴの良型の動きは鈍かったですね。
それでもシラメタイプの良型はGWあたりから見え始めました。
早い年だと4月、遅くとも5月半ばくらいから、渓魚の遡上・移動が起きます。
桜の開花が春の目安にされることがあります。
私の地元では3月末~4月初旬にソメイヨシノが満開。そこから標高差で、GWあたりまで県内の各所でお花見シーズンです。今年はやや桜の花が散るのは早かった。
渓魚の動きは気温変化からのユキシロや、降雨による水量・水温の変化で年ごとに暦上で前後します。
桜が早い年は他の植物の芽吹きもまた早めで、これは気温や地熱、そして水温が早めに上昇したと見て良いと思います。渓流魚の食性も、冷水期の水生昆虫主体から、陸生昆虫への移行もまた早まるでしょう。
今年は梅雨入りが遅くなりました。期間は短かったですが、降水量はシッカリと。
短い間に増水傾向が続き、山崩れで複数個所の沢が荒れてしまった。特に6月後半の大水の際が酷く、砂が流れ、川底が落ち着くのに時間が掛かりそう。私の見た中では3年ぶりくらいの荒れ模様です。
こんな時は、水加減が良いと見えても釣りへの反応が渋くなりがちですが、渓魚たちはどうして過ごしてるだろう?
とは言え雨荒れの時は、遡上系の大型に出会う好機。40を超すサイズも出てくれ、今年も増水の恩恵を受けられました。
降雨にあまり切れ間のなかった今年は、水分量からか、キノコの発生が順調。
山が水分を持っている条件は、渓流魚たちの動きとの連動性もどこかに在るはず。こうしたことを観察できるのも面白さです。
良型混じりで数が出易いこの時期、観察&考察したくなる魚との出会いも多々。
体表、パーマーク、色合い、ヒレの形状等々、アマゴの個体差を見るには、居着き型も遡上型も活発な時に、多くの魚体が見たい。
何処で、どの条件で、どんなタイプが、どういった釣り方で出たか、そんな事を考える面白さもあります。
春から梅雨まで、河川に濁りが入る荒れ気味な日が多かった。
大水で川底が荒れたのは一部河川で確かですが、全域がそうではない。そこには大きく育った魚達が居るかもしれません。
これから夏本番、水位が下がれば、砂礫も落ち着いてくるだろう。豊富な水量で育った魚達に出会えるよう、残りのシーズンを楽しみたいです。