管理釣り場とはあえて言わず「ニジマス釣り堀」。私がそこに通ったのは、随分前のことです。
その経験が何年も後に、渓流釣りに活かされることとなりました。
流れの無い、池のようなポイント。
渓流禁漁期にちょとした遊び気分で「行ってみよう」となり。正直、この時の私はニジマス釣り場をナメていました。
「そこに居る」と分かってて釣りをするのだから、難しく考えなくても釣れるでしょ、と。
普段の釣りの会話の中でも、よく釣れる、入れ食い状態のことを「釣り堀のように」とも表しますね。でもこれ、やや失礼な言い方かもしれません。
数匹の釣果であれば、放流したての魚が相手なら、そう難しくはないです。
しかし養殖ニジマスも生き物ですし、釣り鉤を学習しますからね。つまりスレるので、そうなってからは中々です。
初めて行った時。
思うより反応が渋く、苦戦。4時間やって4尾でした。難しいじゃんか。
このままではイカンと、早速次の週に再訪しました。そこで驚きの光景を見ることに。
10人ほどが竿を出している区間で、私も含めた皆で合わせて2~3尾釣るうちに、一人で3~4尾を釣ってる人が居たのです。
「マシンガン」ですね、あれは。
その人がサッと竿を振ると、数瞬でアワセが入り、次の瞬間に魚が水面を割って、腰に差してるネットに飛んでくる。チャッとリリースして、次、そして次。
鮮やか過ぎて、もう、何と言うか。
そこで自分の釣りは置いておいて、その人を観察。
すると隣にいた人が「あの人はここの常連の中で、一番釣るよ。」とのこと。
その人はおそらく、自然河川の釣りも上手です。竿操作からの一連の所作が、相当に釣りに慣れた様子なのは明らかでしたから。
あらためて、ナメてた自分を反省し、真剣に釣ろうと思いました。ここにはここの釣りがある。腕前次第で、あれほど差が出来るとは。
そこから暫くの間、そこに通いまして。
最初は4尾から始まり、徐々に釣れる数が増え。
最終的には、数多くの魚を釣れるようになりました。名手ほどには全然なってなかったですけどね。
このまま続ければ、更に釣れるようになるかもしれないが、その釣り堀の攻略はそこそこ出来ただろうと、自分的に納得しました。
自分が相手をしたいのは自然河川の魚だし、釣り方を渓流に移植するでもなさそうだし。
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これが勘違いだと分かったのは、行かなくなって何年も過ぎてから。
当時の私は、渓流の止水をポイントとして見ていませんでした。流れのない(弱い)ところには、コイ科の魚が群れていたりして、敬遠してたのもあります。
しかし波立ちのない淵やトロ場にも渓魚は居ますし、早春の釣りでは止水はむしろ一級ポイントにもなり得ます。
池のような場所を釣ることには、こうした止水攻略のヒントがありましたが、私の中では渓流釣りと結びつかなかったのですね。魚種が違いますから、全く同じ動作と言う訳ではないにしても。
今では当時の釣りをアレンジして、積極的に止水も釣るようになりました。
渓流釣りの勉強機会は、様々なところにある。その活かし方が分かっていないと勿体ないなと、後になって思った次第です。