あるSNSで見掛けた、釣り人の嘆き。成魚放流を釣りに行った人のもので、省略して紹介しますと、
・エサ釣りの人が大量キープして持って行ってしまう
・数日後に再訪しても、殆ど魚が居ない
・漁協はもっと長く楽しめる漁場管理をすべきではないか?
と、こんな感じ。毎年の解禁初期に、何処かから聞かれる内容ですね。
こうした話を誰かが出すと、外来魚種や、他の魚が釣れない要因に話が膨らむことがあるのですが、それだと論点がズレて話がまとまらないので、一つづつ考えた方が良いかなと思います。
放流すると川に棲む魚が減る場合がある、との調査結果が話題になりました。この点に関して、放流成魚が大量に、一度に同じ場所に放されることは、場所によってはマイナス要因になり得ます。が、生簀育ちの魚は遊泳力が弱く、定着はあまりしないみたい。
それと元々渓魚だけでなく、魚そのものが殆ど居ないような河川であれば、大きな問題にはなり難そう。
私は成魚放流に関しては、部分的に肯定派です。しかし全肯定でもない。私自身は狙って釣りに行かないですが、その辺のことは過去記事で書きました。
私が先の意見に同意する部分として、魚の持ち帰りの尾数制限を設けてはと思います。いくら放流魚とは言え、良い場所に入った人が根こそぎ抜いていく話を聞いても、あまり気持ち良いものじゃないです。折角の解禁のお祭りですし、多くの人が楽しめる方向だと良いなと。
前提として、河川に棲む魚は「釣り人に釣られる為」に生きてるのではありません。自然の中のものは、生物だけでなく、あらゆる要素が無駄なく影響し合い、それで成り立っていて、魚族もその一部。
ところが解禁放流の成魚は、生態系の一部としての機能よりも、「遊漁」の目的で川に放されます。それ用に管理された河川の区間であれば話はまた違ってきますが、解禁時の放流の多くは、釣り人を呼び込む漁協側と、魚を釣りたい釣り人側の意図の一致で為されるもの。
多くの放流魚が残った場合、他の魚に悪影響が及ぶ可能性があるなら、早めに釣り切られてしまう方が良いのかも知れません。今一度書きますが、河川の魚は本来、釣り人に釣られるためにそこに居るのではないですから。
私のように、「放流魚狙いには行かない」のも選択の一つ。
放流魚の扱いを、管理する漁協に意見として届けるのは良いと思います。反映されるか否か、それが自身の趣向に合わない人は、その釣り場に行かなくなるだけのことかと。そんな人が多くなれば、採算の合わない事業は縮小か撤退になる。その前に管理方法は見直されるかもしれません。
止められた漁協はありますけど、成魚放流の人気を見ると、完全に消えることは無いのじゃないかな。
初期に成魚放流が行われるのは、寒冷な環境では天然魚の動きがまだまだで、釣り客のニーズを満たす状況に無いことも要因の一つでしょうね。
私はそれでも自然河川に触れる事が好きですから、初期なりの楽しみ方を追っていこうと思っています。