私は過去に、上手な人の釣りを見て、話を聞いて、真似ようとチャレンジしてきました。書籍やネット、情報収集も沢山。しかし、完コピ出来た経験は皆無。
と言う訳で、もう誰かのコピーは諦めました。参考にしないと言うのではありません。
ちなみに、渓流釣り関連の書籍購入は数百冊、総額はちょっと怖いことになります(笑)。
他者の釣りの真似って、かなり難しいと思うのです。自分のレベルを大きく超すほどに。
コピーが出来るなら、誰でも歌手にもスポーツ選手にもなれるはずですが、そうではないですね。
しかし、近付くことは出来るのじゃないかな。
現状の力量を上げるのに、他者の釣りを取り込むことはとても有効と思います。
歌手に歌を習えば、自分が同じになれずとも、発声は上手くなる、とかね。
私だと、最も真似の障壁になるのは、昨日までの自分の釣りスタイル。この修正が容易ではないです。
「変なクセ」と言いますが、明らかに非効率なやり方が身に着いてる場合は、なるべく早く修正した方が良い。ですが私の思うに、こと釣りに関しては、それほど絶対的にダメなやり方は多くはないです。
私は誰かを真似して釣りをすると、大抵は上手く行かず、釣れません(その時は)。
今までの釣り方に戻すと、それなりに釣れる、となると、いつしか元通りになってしまう。
ところが自分の釣りを工夫していった結果、何年も経ってから、以前に見聞きした釣り方に行き着いたりします。それが私は何度かありました。
瀬で時折やる釣り方があるのですが、それが随分前に先輩がやってたことに近い、と最近気付いて驚きました。その時は真似出来ませんでしたし、忘れてたのですが。
これはおそらく単純に、当時の技術力不足。もし簡単に真似が出来るとしたら、それはすでに自身の技術力が間に合っている場合でしょう。
早く真似すれば良かった、何年もが無駄になった? 私はそうは考えません。
これは部分的な話で、全体的な自身の釣りとは、方向が少々違います。その部分に関しては、私にはそれだけの時間が習得に必要だった、と言う事。
先輩に少し近付いた気がして、ちょっと嬉しい。
良く釣る名手は、釣りの理論も技術も、独自色が強いです。つまり少数派。
参考にしたい人がいても、自分の持つものと、部分と部分の貼り合わせのようになり、難しい。
洋服で、一流ブランドのジャケットの袖だけ、襟だけ、というような、切り取りを組み合わせて素敵になるかと考えたら、まず無理でしょう。ベースがボロ布だったら更に。
丸ごと真似することも難しい、切り取りでも難しいとなると、どうするか。
土台になる自分のデザイン軸を持つしかない、だろうと。そこを磨き技術を上げることで、他者の釣りを取り込む事も出来得る。
初心者であれば、先人のマニュアルに沿うのはアリだと思います。ですがそれは基礎編まで。それ以降は、自分の独自路線を行く方が良いと私は考えています。
広く認知される釣りのセオリーやマニュアルは、あくまで平均的状況を表したものです。そしてそこから得られる結果は、平均以下であることが殆ど。
趣味の釣りでは、好きな場所、釣り具、釣り方等々が個々に違います。
自身が望む成果を出すには、自身のオリジナル色が要るのだと思っています。