山渓遊びブログ 渓流釣りと採集

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

渓魚の食性と釣りについて

渓流釣り対象となる魚たちは、昆虫や小魚を食べる肉食性です。視覚、嗅覚、聴覚でエサを見付け、捕食する。

水棲昆虫、陸棲昆虫、どちらも食べていて、時期や状況で偏る場合も、何でも食べる個体も、色々なケースがある模様。

渓流釣りで使われるエサは種類が多いです。

市販エサでは、サケの卵のイクラがあります。一般の渓流域にはサケは来ないので、渓魚たちはイクラなど見たこと無いはずですが、食べます。

ちょっとイレギュラーなものだと、魚の切り身や加工品、ペレット、海釣りのエサなど。自然界ではあり得ないものでも、釣れる魚が居る。

養殖場の魚はペレットを食べてますが、自然水域に放されれば、やはり昆虫や小魚を食べます。ところがペレットを河川で使えば、やはり釣れるのですね。(釣りで使うにはペレットは加工が要ります)

 

過去に私も好奇心で、色々と試したことがあります。最近はやってないですが。

昔、釣りキチ三平くんが、ソウギョを釣る際に、ホウレンソウのお浸しに醤油を掛けてエサにする話がありました。「人間が食べて美味いなら、魚も食べるだろう」的な台詞だったと思います。

 

人間でも、普通に考えたら、あり得ないものを結構食べますね。

日常的なものだと、例えば牛乳(と乳製品)。他の動物の乳を摂るのは、この世で人間だけです。合成○○とか、人工△△などもありますね。つまり人間を自然の中の生き物と見た時、かなり不自然な事が多いのです。

 

仮に人間が、服も道具も持たずに野山で生きてるとしたら、何を食べるでしょうか?

おそらくですけど、木の実や葉っぱなど、植物類の採集し易いものを探すのではないですかね。走って猪を捕まえるとかは、ハードルがかなり高いだろうと。

大昔の人類の化石調査では、住居の近くで動物の骨が出土しており、人が群れで協力して狩りをしていたと考えられています。

それでも野生獣を獲るとなれば大変だったのではないでしょうか。農耕にしても、現代で私達が食べる野菜などは品種改良が重なった結果で、野山に同じものはまずありませんね。

野生獣たちも、草食・肉食・雑食が居ます。

ほぼ草食だけど、肉も食べるとか。肉食だけど草も食べる等々、元の性質は様々。これらが人の出したゴミから採餌することを覚えてしまい、問題になるのは周知の通りです。

 

つまり魚でも人間でも、感覚で食えると分かれば、しかもそれが簡単となれば、自然・不自然に関係なく口に運ぶし、それで生きて行くという事。

自然の中で行われ、身に着いている行動を「食性」。人為が絡み、不自然に行われた結果身に着くのが「食習慣」と言えそうです。

我々釣り人は「自然の中で遊ぶ」と感じているのですが、釣り道具などの自然界に無いものを持ち込んで、相手の魚と周囲の自然からすれば、非常に不自然なことをやっているわけです。

釣りの嗜好として、どこまでの自然・不自然を考えるかは人それぞれでしょう。

私は相手となる自然の事が知りたいし、その中で生きる魚の感覚を追うことも面白さだなと思っています。