山渓遊びブログ 渓流釣りとアウトドア

岐阜県から 山渓アウトドアライフ

上高地のイワナの危機

 

 イワナは、カワマスとはエサを巡り競争する関係にあり、ブラウントラウトからは捕食される――。北アルプス上高地(長野県松本市)の在来イワナの減少に外来マスが影響している詳しい実態が、筑波大や県環境保全研究所などのチームの研究で明らかになった。論文が国際学術誌に掲載された。

 

「外来魚種が入っても、そのことで在来魚種は減ることはない」

との論説を聞いたことがあります。これには私は懐疑的。

 

本件は上高地、信州梓川の最上流。自然保護区で禁漁ですので、我々は魚の採捕は出来ません。

上高地は大正~昭和時代に欧州産のブラウントラウトと北米産のブルックトラウト(カワマス)が放流され、今では大多数の魚がこれら移入種になっている様子。

まるで別種の外来魚と違い、同じく鮭科魚種が移入され、種の置き換えが起きた事例と見えます。ましてブルックはイワナ属で、在来イワナとの交雑の懸念も。このことからも、先の外来魚種が・・の論説は、本件に関しては当てはまらないのではないですかね。

禁漁措置を取るなら、在来魚種の水域を指定してはどうかと? そんなふうにも思えます。

 

 魚種の内訳は、ブラウントラウト130匹、カワマス141匹に対し、イワナは雑種を含めて20匹しか確認されなかった。40年前の調査では、イワナは雑種を除いても半数近くを占めており、減少ぶりが改めて浮き彫りになった。

 



源流部の棲息魚種が外来魚に完全に入れ替わったとしたら。

下流域の本線もまた、上流から降りた魚により、時間の問題でしょう。実際、梓川水系では最優先種はブラウントラウトと言って良い状況です。ブルックはあまり降りてこないのか、私は見たことないですし、釣果もあまり聞きませんね。たまに出るらしいのですが。

 

 

 上高地は国立公園の特別保護地区であることから、ピーターソン助教は「在来イワナの絶滅を防ぐ対策が求められる」と強調する。今後は遺伝子分析による生息分布調査などを通して、イワナ保全管理に取り組む考えという。

 

 

筑波大のサイトはこちら。

 

上高地への外来魚の放流の経緯については、私も過去に少しだけ調べました。

ペットを川に放したとか、釣り人が意図的に入れたとか、そういう類の話ではないみたいですね。生態系への影響が・・的な事は、当時はあまり考えられていなかったのだと想像してます。

現在の上高地でのイワナの減少は、止められる物なら食い止めたい。

また、外来魚の影響だけでない可能性があるのなら、そこは取り除いていけたらと願う次第です。