7月12日未明、渡島管内福島町の住宅地で、北海道新聞の男性配達員がヒグマに襲われ死亡した。
・・と、北海道で痛ましい獣害事故が起きました。
7月の方は住宅地で、8月は山中で、というのがこの2件で違う点だなと。
こうしたニュースがあると、ほぼ必ず複数人に「山に行ったら、熊が出ないの? 最近報道多いし、出会ったらどうするの?」と言われます。
これに対し、何とか良い説明が無いものかと、都度考えるのですが。
私は毎年ツキノワグマには出会います。2025年8月現在、今年は2頭、今まで一番多かった年で、年間5頭。
結果、何ともないので、今も山渓遊びに興じています。出会ったらどうするか、への答えとしては、「別に何もない」となります。
まず、北海道に居るのはヒグマ。本州のはツキノワグマです。熊の種類が違うので、そもそも同じ動物ではありません。
以前北海道で、ヒグマの足跡を見ました。アレはヤバい。デカさが私の知る熊と全然違います。
インドでキングコブラに咬まれて亡くなる人が居るわけですが、それを聞いて「山の蛇が危ない。出会ったらどうするのか」とは考えないと思うのですよね。日本にキングコブラが居ませんから。
本州にはヒグマが居ないので、北海道の被害者は気の毒と思いますけど、同じように心配しても仕方がないと言うか。
ちなみにマムシに咬まれて亡くなってる人も居ますし、何ならスズメバチに刺されて死んでる人の数は、熊に襲われて死亡するよりもずっと多いです。
山の遭難と水難で毎年何百人もが亡くなっていて、山渓の危険度を事故数と死亡数で測るなら、熊の事故件数は特に多いとも言えず。
ですがもっと大事なのは、山渓に遊んでいる人も、そこで生活する人も居る中で、何の事故も起こらない人の方が圧倒的大多数との事実。
日本に暮らしていれば、毎年台風が来る、地震が発生するなどの、自然災害は付き物です。これらの危険要素が多いという理由で、世界の安全度ランキングでは、治安は非常に良いのに、日本は上位入りしていないです。
乱暴な言い方だと、熊は沢山ある自然のリスクのただ一つでしかない。
獣害事故は珍しいからニュースになるのであって、毎日日本人が様々な理由で数千人単位で亡くなっていても、一つ一つ報告はされません。熊よりもっと注意を払うものは幾らでもあると思います。
熊は事故数が少ないから、気を付ける必要がないなんてことではなくて。
山遊びに行く私は、そこで得られるプラス点は受け得るリスクを大きく上回る、と思っています。